【病院の実力】VS【学会の実力】

事の初めは、友人医師のぼやき。 「今年もお金がないから、名医にはなれなかったね」 画像日本肝胆膵外科学会が、週刊朝日増刊号「いい病院ランキング」に対して抗議文を送ったとの情報が入った。同時に友人の大学医学部教授からも、この手の『名医ねつ造本』仕組みについてコメントがあった。それによると 1)症例数や治療成績などのアンケートを各病院に送り、それをもとにランキング本をつくる。 2)アンケートに協力しないと立派な成績を上げていても掲載されないので、皆やむを得ず協力する。 3)別途カラーページを設けていくつかの病院を紹介する。 紹介された病院は、何らかの基準があるわけではなく、高額とも思える広告掲載料を支払った病院が掲載されるわけである。 詳細はこちらのブログ⇒ 前述の教授によると、そのような患者さんに誤解を招くような広告掲載依頼に対して 『個々の記者にメールでクレームをつけた結果、黙ってランキングから外された経験はあります』 との事。 強力な『言論』という権力をタテ(←ちょっち変な言い方?)に、やりたい放題の大出版社と(一部だと信じたいが)ジャーナリストの風上にも置けない輩がいることは事実である。 その後、朝日新聞出版から『わび状』が日本肝胆膵外科学会へ送られてきて『本件企画広告の営業活動は中止させていただきました。』とあるので、「いい病院ランキング」は廃刊されることになるのだろうか。 その『わび状』だが、この記事を作ったときには肝胆膵外科学会のホームページに高々と掲載されていたのだが、2013年1月5日に確認したところ、掲載が中止となっていた。年も改まって何もなかったかのように水に流したかったのであろうか? 参考資料としてネットを探したら、ありました。クリックすると、大きく表示されます。
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画像実は、まったく同様の事が私の専門分野でも起こっている。 勤務先の病院に『病院の実力2013 痔 肛門疾患治療特集』という雑誌に広告掲載依頼のファックスが12月13日に送りつけられてきて、最も高い取材編集記事広告カラー1ページの掲載料は、なんと1,260,000円である。 日本大腸肛門学会評議員の先生がお神輿としてかつぎ揚げられており、日本肝胆膵外科学会と全く同じ構造である。 日本大腸肛門病学会が、毅然とした態度をとれるかどうか、『学会の実力』が試されている。

いじめ自殺問題の根本解決法

先日、母校の同門会で、長尾能雅教授のお話を伺う機会を得た。 数年前から話題になっている、医療事故を防止するための専門家で、肩書きも『名古屋大学医学部附属病院 医療の質・安全管理部 教授』という舌を噛みそうな長~い友達肩書きである。 その講演の中で、かつて人工透析をする場合、滅菌済みの複雑な透析回路の組立を医者自ら行っていて、それが透析専門医のプライドのようになっていたが、仕事の忙殺されるがあまり当然のこととしてミスが起こる。 患者さんの生死に関わるような大事故は起こらないにしても、ヒヤッとすることは、頻繁に起こっていたようだ。 そこで、『臨床工学技士』という専門家が登場し、複雑な医療器械の管理保守を行うようになってから、そのような医療事故寸前の事態は激減し、医師も自分の専門である診療に力を注げるようになったとのことである。 画像この話を聞いた直後、大津市の中学生がいじめを苦に自殺したという報道が大々的に行われ、マスコミは一斉に当事者である中学校を叩くは叩くは・・・ いったい、この数年間に同様のいじめが原因の自殺が何度報道されたことか。 全く進歩していないぢゃないかぁ~~~! この手の報道がされる度にDr.OKは 「学校内の暴力やいじめの問題を、教師という職業の業務として良いものであろうか」 と疑問に思う。 教師は『正しい知識を教える』ことが第一の仕事であり、暴力を振るう生徒から身を守る護身術を学んでいるわけではない。 また、親の子供に対する接し方が関与しているいじめ問題(今回のいじめ問題の加害者の親から「うちの子供が自殺したらどうしてくれる」との発言があったと報道されていた)に対し、家庭内まで言及して何か権力を行使できるわけでもない。 アメリカのように拳銃を持った生徒がやってくるような環境なら、武装警官の常駐がすぐに決まるだろうが、水面下で行われ対応が非常に難しいいじめ問題を、 『学校で起こったことだから、教師が責任を持つのが当然でしょ』 と鬼の首を取ったかのように責め立てても、問題の解決になならないと思う。 臨床工学技士の活躍で医療事故が減ったように、教育の現場にも何らかの校内暴力やいじめに対する専門家が必要なのではないか。 それこそ『教育の質・安全管理 教授』なんて人が、教育学部に誕生しても良いかもしれない。

胃ろう問題について

2012年6月28日に 『日本老年医学会(理事長・大内尉義東大教授)は27日、高齢者の終末期における胃ろうなどの人工的水分・栄養補給について、導入や中止、差し控えなどを判断する際の指針を決定した。』 との報道があった。 私の知り合いにも、6年前に脳卒中で寝たきりとなり、誤嚥性肺炎(食べ物をうまく飲み込めず肺に入ることが原因で生じる肺炎)を繰り返すために3年前から胃ろう(おなかの表面から、直接胃の中に管を入れて、そこから栄養剤を注入することにより、まったく飲み食いできなくても、生命を維持することができる)を行っている人がいる。 齢90歳に達しようとしている昨今、問いかけにうなずくくらいで意識があるのなか、ないのかはっきりしない。 繰り返す肺炎と、尿道感染の治療を行っているが、もし意識がはっきりしていたらどんな気持ちでいるのだろうか。 胃ろうとは違うが、Dr.OKも癌の治療をしていた頃、がんの末期に立ち会う事もあった。 いよいよご臨終となり、意識もなくなり徐々に血圧が下がってきたときに、さらに昇圧剤を投与して心臓を動かし続けるかどうか、決断に迫られることがあった。 医者になりたての1984年当時は、指導医師から昇圧剤の使い方を教わり、心停止となった場合は、心臓マッサージから心注(心臓に長い注射針を用いて、直接強心剤を注射する)まで、蘇生術を行っていた。 指導医からは 「蘇生術を行う時は、家族の方には退出してもらうように。ショッキングで、とても家族に見せられないからね」 と、家族にも気配りをするように教えられた。 そうやって、精いっぱい仕事をしたつもりでいても、『医者の自己満足』ではないか、『家族に看取られることもなく死んでいくのはかわいそうではないか』との議論が高まり、その後、意識がないほどの末期患者さんに積極的な延命治療をしたり、心停止の時に蘇生術を行うかどうか、家族に前もって聞いておく慣習となった。 実際に私の経験では『何が何でも、一秒でも長く心臓を動かしてください』と延命治療や蘇生術を希望する家族は一人もいなかった。 元気なうちに、胃ろうについてどうするか、どのようなときは拒否するか、家族に知らせておきたいと思う。
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原発問題と議会制民主主義

「どうにかせにゃ、あかんがやぁ」 と思いつつも、日本はどういう方向に行ってしまうのだろう。 『原発再稼働反対』の声が大きいように聞こえても、政府は粛々と再稼働に向かっている。 いったい、民意はどこにあるのか。 そんな、モヤモヤした気持ちを代弁してくれる文章がここにあった。 http://www.cataloghouse.co.jp/yomimono/genpatsu/asada/01/ 原子力問題について学ぶのと同じくらい、議会制民主主義の意味について日本人は学ぶべきなのであろう。
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LED電球が原発を止められるか

数年前にLED電球が発売された。 その真っ白な光。あまりにも『あからさま』という形容詞がぴったりの機械的な味もそっけもない光色で、白熱灯や蛍光灯と交換する気にはなれなかった。 それが、数年後には電球色なるものが発売された。それでも価格的には白熱灯の数倍にもなり、いくら節電になると言われても、 「元を取るのに何年もかかるんじゃ、我が家の『節電』にはならないなぁ」 と思っていた。 それが先の大地震と原発の事故。 原発がすべて止まって、再稼働には反対運動が巻き起こり、日本の電力事情は頻拍しているといわれている矢先、6月13日、政府が、家庭やオフィスで白熱電球から発光ダイオード(LED)照明への切り替えを促すため、メーカーや家電量販店に対し、販売面での協力を要請した危険な原発に頼らずにエネルギーを確保するための、大きな切り札になることは間違いないと思う。 先の戦争で、壊滅的状態から奇跡の復興をとげ、世界有数の先進国となった日本。その、底力を今こそ発揮すべき時が来た。 頑張ろう、日本! それにしても、2010年3月17日をもって白熱電球の製造を中止した東芝の先見の明はすごいっ!
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まじめな原発問題のはなし

Dr.OKは、積極的には原発反対運動はしていない。 何となく、事故があったら怖いな、でも夏にクーラー使えないとつらいな・・・ でも、やっぱりなんとかせにゃならんだろう、と思っていた。 そこでここ最近持ち上がっているのが、野田首相の原発再起動発言。 再起動するのかしないのか、意見を聞かれたらどう答えようか考えていた矢先、こんなページを紹介された。 原発の設計は、さすが技術大国日本の粋を集めて、安全性が確保されているが、それは机上での話。 それを作る人、検査する人、運転する人、修理する人、それぞれの部署で、聞くのも恐ろしいことが起こっている。 さらに、出された大量の放射性廃棄物質の処理も、処理どころか保管も満足にできない。 原発開発のために、周辺の住民は安全な環境も、地域の絆も破壊され、差別されている現実。 このようなことが、原発で働いていた平井憲夫さんによって書かれているのである。 ぜひ、原発再稼働賛成の人も、良くわからない人も、反対の人も以下のURLを開いて読んで拡散してほしい。 http://www.iam-t.jp/HIRAI/pageall.html   Dr.OKからのお願いである。
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労働条件、どうよ!!

GWのさなかの4月29日、高速バスが側壁に激突する事故が発生した。バスは前部がつぶれ、運転手、乗客45人のうち7人が死亡、9人が重傷、29人が軽傷という、大惨事。 まず、亡くなった方々のご冥福と怪我をされた人々のご快癒をお祈りしたい。 その後、原因が運転手の過労による居眠りという事で、その労働条件の厳しさが次々と報じられている。 これらのニュースを聞いて、 「じゃあ、医師の労働条件、どうよ!!」 と、一人ごちするDr:OKであった。 ネットで報じられたニュースのヘッドラインについて、コメントしてみたい。 【日雇いは当たり前」同業者が証言】 最近は卒後研修制度が改善され、かなりよくなったと聞くが、無給に近い賃金で勤務している医師がかつては多かった。 生活のため、夜間の当直バイトをする。ほとんど寝るだけの当直は人気があって、なかなか回ってこないので、高給であるがほとんど眠れない夜間救急当直を受けることになる。 ほとんど眠れなかった翌日、そのまま病院勤務に出かける医師は、若いからこなせる、体力勝負なのである。 【仮眠はラブホテル…運転手たちの苦悩】 前日、重症患者さんの治療や、緊急手術などでほとんど寝られなかった医師。仮眠用のベッドが用意してある病院もあるが、『満床』のこともある。 そんな仮眠ベッドにあぶれた医師たちが、医局のソファーでマグロ状態になっているのも、見慣れた朝の風物詩であった。 【転手の就労基準 厚労省の姿勢に批判】 いつも問題があってから動き出すのが、行政のお約束。 睡眠不足でも、予定の勤務をこなす医師。 Dr.OKも徹夜の翌日執刀をした経験あり。いつしか、必要以上に体力温存する習慣が身に付き、宴会の二次会は行かないようになった。 けっして、付き合いが悪い性格でもないんだけどね・・・ 【運転手2人体制を要請 国交省】 人数が十分足りていれば、危険な綱渡り的な勤務体制をしなくても済むだろうね。 でも、そんなことしたら、日本の保険医療体制度が崩壊してしまう。 日本は、いろいろ問題は指摘されているけど、高度な医療を世界一安い価格で享受できる、シアワセの国なのである。
医師の過重労働—小児科医療の現場から
勁草書房
江原 朗

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てんかんと交通事故

4月12日、京都の祇園で乗用車が歩行者を次々とはね、7人が死亡、9人がケガをするという交通事故があった。車を運転していた男性はてんかんの障害がひどく、自宅では車の運転を控えさせていたということである。 このニュースを聞いて、Dr.OK は 「ちょっと待てよ。てんかんと事故に直接関係があるのだろうか??」 と真っ先に感じた。 Dr.OKはてんかんの専門家ではないが、学生時代にな学んだてんかんの症状というのは、 食事中に急に意識をなくして箸を落としてしまう小さな発作から、崩れるように倒れて全身を大きく痙攣させ、白目をむいて泡を吹く様な大発作のものまで、いろいろな症状があった。 まれには、意識はなくならないが急に腹痛がおこり、いろいろ検査するも原因がわからず、脳波を計ったらてんかんの波形がでているという『内臓てんかん』なんていうのも、印象的に記憶している。 経験の浅い(というか、ほとんどない)研修医のころ、ランニング中に急に腹痛で倒れた屈強な自衛隊員を診察し 「すわ、内臓てんかんか?」 などと考えて、脳波検査の予約を組みそうになったら指導医師から 「あほか!」 と即却下された不名誉な思い出がもある。(-"-) いずれにせよ、てんかん発作を起こした患者さんが長距離を運転し、次々人をはねることなんて不可能だと思う。嘘だと思ったら『てんかん』と検索すると、発作時の動画がいくつか見つかるから、一度見てもらいたいものだ。 しかしひとたびこのような事件があると、世の中には 「ほら言ったことじゃない。てんかんの患者に免許を与えるなんてもってのほかだ。」 と、短絡的に結び付けて、非難する人が必ず現れる。 差別というのは、真実を知ろうと努力しない愚かな姿勢から生まれるものである。 そのような人には、自分が誤解により差別される立場になったら、どんなに悲しいか考えてもらいたいものである。 今回の事故で、てんかんの患者さんに対する差別がひどくならないことを願って、楽しい動画を紹介したい。 【てんかん発作の歌】 http://ishqdeep.com/video/JSIeM1Z1LZ8
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北朝鮮のロケット

昨日は発射されなかった。16日までに発射する予告が報じられている。 日本に落下するようなことになれば迎撃ミサイルで撃ち落とす計画だそうだが、それについて元自衛官の知り合いと話した。 彼によると、 「とても本当にに撃ち落とす準備をしているとは思えない」 とのこと。 「そんなことをしたら、北朝鮮と戦争になってしまう。その覚悟が、政府にはできていないでしょう」 昨日、栃木県は防災情報を配信するメールで、「北朝鮮から人工衛星と称するミサイルが発射されたもよう」という誤った情報を配信してしまった。 こんな状態で、戦争になってしまったら、考えただけでも恐ろしい。 ((;゜Д゜)ガクガク ブルブル 楽天的なDr.OKは、今回の打ち上げをそれほど心配はしていない。 本気で攻撃する気なら、予告などしないでしょう。 それより、発射予告だけでこれだけ大騒ぎになってしまうことこそ、『北朝鮮の思うつぼ』ではないだろうか。  
posted by Dr.OKの消痔堂日誌 at 05:25Comment(0)TrackBack(0)