特選!Dr.OKのまじめなおしりのはなし27:痛みが少なく2週間で治る痔の手術

痔の手術って、痛いことで有名ですよね。
そりゃ、傷があるところを毎日ウ○チが通過するわけで、痛いに決まってるでしょ!!!

その対策として現在もっとも広く行われるのが、痔核を取った後の傷を縫い合わせて直接ウ○チがつかないようにする、閉鎖式結紮切除術。

ところがこの閉鎖式結紮切除術、なかなか思うようにできない。

まず立体的な痔核を、どのような形に切除して縫い合わせたら平面になるのか、把握することが難しい。
さらに粘膜や皮膚は伸び縮みするので縫った後にウ○チが通過して広げられたら、どのくらい縫い目に力がかるのか予想できない。

理想どおり縫い合わせたとしても、途中ではじけてしまうことも多々あり
「完治するまでに5-6週間かかります」
なんて、理屈に合わない説明がまかり通っているわけ。

だって、皮膚だってふつう1週間、どんなに長くても2週間もすれば完全にくっついて抜糸するでしょ?
粘膜は、皮膚より回復が早いんですよ。
それが「5-6週間かかる」っていうのは、大半が途中で傷が開いてしまうから。

それでも5-6週間で完治できれば御の字で、2か月以上傷が治らずに痛みも出血もぐずぐず続く『難治創』になってしまうことも、それほど珍しい事じゃない。

学会でも開き直ったその道の『達人』とも呼ばれる大先生が
「閉鎖式結紮切除術は難しいから、かなりの経験をつんだベテランしかできないんですよね~」
なんて、高いところから物を言う。

さらに輪をかけて実際に痔の手術の経験が少ない『大教授』なんて

「セミクローズド(semiclosed:半閉鎖式結紮切除術のこと)は、傷を縫い合わせると肛門が狭くなるんで、あれは『せまいクローズド』と呼ぶのが妥当だと思う」

なんて、自分の手術が下手なのは棚に上げて、分かったようなことを言う人も・・・

「これでいいのだろうか??」
Dr.OKは疑問を持った。
どんなに理想的な手術術式だって、大多数の人が行えなければ意味がない。
いつまでたっても、標準術式にはなりえない。
「傷は縫い合わせますから、痛みが少ないです」なんて嘘くさい説明はもうたくさん!

そこで思いついたのが完全閉鎖式の結紮切除術を、だれがやっても切除範囲を的確に取れて、傷が治るまでの2週間傷が開くことのない術式。

名付けて『サルでもできる結紮切除術、略してサルケツ

気のいい患者さんが、
「医学のお役に立つなら、どうぞどうぞ公開してください」
とのことで撮影させていただき、YouTubeにアップしました。
http://youtu.be/PriD_6nXGp8


「痔の手術がどうも納得いかない」
と思っている同業の皆様、是非お試しください。

一般の方も、この方法を使って痔核の手術を行えば、最短2週間で完治して、運動もお酒もOKという『サルケツ法』をご覧ください!(^^)!


特選!Dr.OKのまじめなおしりのはなし26:急に腫れたらどうするか。

今日も来ました相談メール。

急におしりが腫れて肛門科を受診したら
「こりゃ、切らな治らんですぞ」
と言われて速攻手術。
手術後の経過が心配です。

なんての。

急に腫れた場合、考えらるのはおおむね二つ
一つ目は、肛門の血管で血が固まって、腫れたもの。
かんとん痔核や血栓性外痔核に当たるものです。
かんとん痔核の劇的な写真は

























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これらの病気は、医者によって『スグキル派』と『クスリデナオス派』に分かれます。
Dr.OKは『クスリデナオス派』なので、患者さんが「すぐに腫れをなくして欲しい」と言わない限り、痔の軟膏と鎮痛剤を処方。

どうしてそうするかって?
第一の理由はメンドクサ(,_‘☆\ バキ
ウソウソ

第一の理由は、手術しても薬で治しても、完全になおるまでの時間に大差ないから。
第二の理由は、手術しても薬で治しても、痛みがとれるまでの時間に大差ないから。
第三の理由は、手術しても薬で治しても、病院の収入に・・これは大差あるんだけどね(-_-;)

二つ目の病気は、肛門の周囲が化膿した肛門周囲膿瘍。
皮膚の下に膿がたまっているものだから、ポッコリと腫れたというより、しこりができて抑えると激痛が生じるのが特徴。
写真は















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この場合は、「すぐ切りましょう」が正解。
切ると言っても、歯医者さんでおなじみの局所麻酔を皮膚に注射して、小さな切開を加えて膿が出る道を作るだけ。
これを放置しているとどうなるか・・・
腫れは徐々に大きくなり、痛みも徐々に強くなり、体温も徐々に上がって38℃、39℃なんてこともある。
運良ければ、皮膚が破れて膿が大噴火!
膿が出て、嘘のように痛みは治まり快方に向かう。
運が悪ければ、膿の中のバイキンが血管に入って敗血症という怖~ぁい病気になって、命がけで治療することになる。

さあ皆さん、晴れておしりの腫れについての一言居士になれましたか?

特選!Dr.OKのまじめなおしりのはなし25:誰でもできる痔核の手術

前回からの話の続き。

現在主流の手術術式である閉鎖式結紮切除術(痔核を取った後を縫い合わせる)は、理想的に行われば術後の痛みが少なく、術後の肛門機能も問題なく残される手術術式である。
しかし、本来正常な血管の集まりが大きくなった痔核は、どこまでが正常でどこからが異常であるという明確な境界線があるわけではない。
どこまで痔核の血管を取るかという事が、ちょうど薬の処方で『さじ加減』(薬は本来毒でもあるので、ちょうど病気に効果がある量を見極めることが難しいとされていた)が大切なように、どこまで痔核の病変を切除することが一番難しい事となる。
切り足りなければ脱肛する痔核が治らないし、切りすぎれば術後傷が縮んでしまい、肛門が狭くなってしまう。

正確な切除ラインがわかるようになるには、何千例もの手術を経験しあらゆるパターンを記憶してしまう事が、今まで肛門外科の修行として行われてきた。
学会などで、ベテランの医師が
「結紮切除術は、ある程度の経験がないと上手にできません」
なんて、取りようによってはちょっち嫌味な言い方と思われる発言をするようなこともあった。

ただ、このような技術の伝達方法では、熟達した肛門外科医はきわめて少ないものとなってしまい、年に数例しか痔の手術を経験できない一般の外科医にとって、満足のいく手術を行うのことは、極めて難しい事となっている。

そこでDr.OKは考えた。
誰でも簡単に、正確な切除範囲がわかる手術方法を。

原理は極めた簡単、痔核を鉗子でつまんで引上げ、つりあがった部分だけ何のためらいもなく直線的に切除する方法である。
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最近の、吸収糸(時間がたつと溶けてしまうため、抜糸が不要)の発達も利用し、切除した後の傷を、すべて縫い合わせてしまう。

切除範囲が正確なので、縫い合わせた傷がその後の排便の刺激などで開いてしまう事も無く、ほとんどの患者さんが術後2週間程で傷が閉じてしまい、痛みも最小限で治る手術術式である。

一昔前に、パソコンのマニュアル本で、初心者でも理解できることをウリにした『サルでもわかる○○』シリーズがあった。
今回の手術術式も、経験の少ない医師でも簡単に熟達できる方法なので『サルでもできる結紮切除術』と命名し、病院内では略して『サルケツ』と呼んでいる(^^ゞ

ちなみに、初代『サル』の役割を担ってくれているのは、なんと院長のご子息である。
痔の手術は全く経験のない卒業3年目の彼に、サルケツ法で行ってもらったところ、なんと10例ほど経験しただけで、全周性の大脱肛5か所切除を難なくこなし、経過順調、3週間で完治したのには、こちらも驚いた(^^ゞ

Dr.OKのまじめなあそびのはなし1

『医学は肉体の救済はできるが、魂の救済をすることに関してはほとんど無力である』
最近この言葉が頭に浮かんで以来、魂の救済ができるものは何かと思いめぐらせ、芸術の価値を再評価するようになった。

なんちゃって、難しそうな事書いているが、実際には皆それぞれの方法で体得している事であろう。
Dr.OKにとって、身近な芸術と言えば、音楽と美術である(まるで、高校の選択科目みたいだね)

父親がクラシック音楽ファンで、金属の針でSPレコードを鳴らしている環境で育ったので、クラシック音楽の有名どころは旋律が頭に焼き付いている。
残念なことに、それに反抗するように自らクラシック音楽を聴こうとしなかったので、鼻歌で旋律をなぞることができても、「はて、誰の何という曲だったか?」と考えても、いっこうに名前が浮かんでこない。

高校生のころ(昭和40年代後半)、若者の間ではフォークとロックが流行っていた。
フォークは、吉田拓郎。ロックはレッド・ツェッペリンが一番人気だったと記憶している。
Dr.OKはどちらかというとロック派だったけど、その当時の井上陽水の曲は全部歌うことができる。
それにしても、「傘がない」の歌詞って、シュールですよねぇ。

最近、同年代の人がテレビ番組のディレクターをやっているのだろうか、若いころに聞きなれた曲がドラマの挿入曲に使われていたりして、嬉しくなることがある。
昨年NHKの大河ドラマ『平清盛』の乱闘シーンで流れていたのが、何を隠そう、エマーソン・レイク&パーマーの『タルカス(噴火)』をオーケストラの演奏で使っていたんですね。

<実際の音源はこちら>
http://www.youtube.com/watch?v=xeNg86l_ok4

もう一つの趣味の美術。
小学生の時に「お絵かき」を習っていたので、図画は得意だったんだけど、長じて練習しなくなったものだから、現在では自信があるわけではない。
一生の伴侶に選んだ人が、偶然にも『陶芸作家の娘』だったので、その影響で美術全般の造詣が幾分深まり、陶芸作品には生意気にも、一家言を持つようになった。
幸い、義父の作品は、陶芸作家ではまれにみるほど多種多様で、
青瓷、織部、志野、紅志野、鼠志野、灰釉、飴釉、鉄釉、黄瀬戸、瀬戸黒、天目、唐津、備前、伊賀、井戸茶碗、蕎麦、粉引、伊羅保 etc.
と、聞いた事もない種類も含め、実物を手にしたり実際に使う事も叶うようになったので、あっという間にイッチョマエの陶芸ファンになった。
その縁もあって、いろいろな美術関係者に直接話を聞く機会も恵まれ、趣味としての陶芸鑑賞の域を超える情報を得ることができることも、幸いである。

最近は、8月21日から26日まで、大阪の阪急うめだ本店で開催する、義父の回顧展の『宣伝係』を仰せつかり、得意なパソコンを駆使して、Facebookページを作って、日々宣伝活動に忙しい。
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<Facebookページはこちら>
http://www.facebook.com/mineo.youhen.art

それにしてもFacebookページの力はすごいものがある。←と、またまた得意のパソコン分野に話は飛ぶ。
Facebookに登録していない人でも閲覧が可能で、『いいね!』というボタンを押すと、更新情報が自動的に送られる。ちょうど、新しい製品が出たら、自動的にダイレクト・メールが送られるようなものである。
さらに、Facebookで友達になっている人にも情報が広がっていくので、あっという間に全世界にネズミ算式に宣伝効果を高めることができるのである。
それが、まったくの無料で利用できるのである。
最近、企業のFacebookページが多いことは、こういう効果を期待しての事であろう。
病院の宣伝にも使えそうだし、自己プロデュースできる時代になったのである。

「なんか、個人情報が抜かれるみたいで怖いから・・・」
なんて躊躇している人は、今の時代「墜落すると怖いから」と飛行機に乗らない人と同じである。
激しく競争のある世界で、どちらが勝者になれるか、火を見るより明らかであろう。

特選!Dr.OKのまじめなおしりのはなし24

『痔の手術は痛い』
『手術後、痛くて三日三晩、脂汗を流して寝ていた』
『兵隊に行ったとき、軍医に「帝国軍人なら我慢しろっ!」と言われて、麻酔なしで切られた』
『痛いのは嫌だから「沁まず、痛まず治る」と言う宣伝文句の薬を100万円も使ったのに治らなかった』

昔からどうも、痔の手術は痛みとの戦いだったようだ。
痛い手術の代表選手は、脱出する痔核(脱肛)を治療するために1882年に発表されたWhitehead (ホワイトヘッド)法と呼ばれる手術。
これは、痔核ができる部分を帯状(イラストの灰色の部分)にぐるっと切り取ってしまって、直腸の粘膜断端Aと肛門上皮の切除断端Bを輪状に縫い上げる手術である。
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非常に敏感で、便を出すたびに刺激される部分を細かく縫われるのだからたまったものじゃない。
昔は、「研修医の糸結びの練習のための手術」
と言われたくらい、縫う針数も半端な数ではなかった。

痛い思いをして、すっきり脱肛が治ったならまだいいけど、時に粘膜が肛門の外に飛び出してしまい常に下着が粘液や血液で汚れるという、とってもウットオシイおしりになってしまうことがある。
実際の写真は、下にスクロール






















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Whitehead法の反省から、痔核を縦方向に切り取ろうと1937年発表されたのがMilligan-Morgan法。
さらにそれを改良した結紮切除術が1960年代以降徐々に日本でも普及し、最近ではWhitehead手術を選択する医者は、ほぼ皆無となった。

しかし、結紮切除術にも欠点がある。
それは、切除範囲を正確に決めるためには、かなりの熟練を要する事。
大部分の結紮切除術の失敗は、切除範囲を取りすぎることにある。これは、外科医の性格や癌の治療に携わるときの経験『再発したら負け』からきていると思う。

癌の手術は、病変部をきれいに切除しても、その周囲の組織に広がっている癌細胞が残っていたり、病巣の近くにあるリンパ節に転移していたら再発してしまい、その後の治療は極めて困難なことが多い。
従って、癌の手術をするときは、『疑わしきは罰せよ』とばかりに、周囲の組織やリンパ節も徹底的に切除することが善とされている。

一方、良性疾患である痔核の手術は、癌の手術の場合と発想が全く違う。
痔核の手術では、原因になっている痔静脈叢と呼ばれる血管を切除するのであるが、どこまでが病的な痔静脈叢で、どこからが正常の痔静脈叢であるという明確な基準はない。
病的に限りなく近い痔静脈叢を残しておいたとしても、癌のようにその部分が増殖して再発するわけではない。

外科医のほとんどは、癌の治療をメインとして教育を受けているから、勢い切除の必要のない痔静脈層を切除してしまって、要するに『切りすぎ』の手術を行ってしまう傾向にある。
その結果、術後に狭窄をきたしたり、なかなか治らない難治創になったり、ウットオシイ合併症を引き起こすことがある。

『過ぎたるは及ばざるに如かず』(切りすぎは、切り足りないより良くない)と言う名言を残した故隅越幸男先生は、常々われわれ弟子に
「痔の手術なんて簡単なんだから、再発したらもう一回やらせてもらったら良いんだよ。切りすぎて後遺症を残した肛門は、いくら一生懸命手術しても二度と元の健康な肛門には戻らないのだから」
とおっしゃっていたのである。

手術のビデオ

先日、手術の記録をしているビデオカメラ(テープ式:買って4年くらい)が壊れてしまって、修理を見積もったら18000円もかかるうえに、既にテープ式のビデオカメラは製造していないことが判明。
「こりゃ買い替えだ」と安そうなビデオカメラを探していたら、店員さんが勧めてくれたのがデジカメのビデオ機能を使うという手。

発売一年を過ぎて、特価になっていた20500円のサイバーショットを買いました。
昨日撮影してみて、その画像のきれいなことに唖然。
1500円くらいで8Gのメモリーカードを入れて1時間録画可能。!

これを使って、手術の記録を録画してみた。
たいていの患者さんは
「医学の進歩や、患者さんの教育のために、ビデオを撮影して公開する必要があります。お嫌でなければ、協力していただけないでしょうか」
と、まじめに真摯な態度でお願いすると、
「顔が出るわけじゃないから、良いですよ。どんどん使ってください」
と、快く引き受けてくれる。

これも、患者さんとの信頼があってからこその事で、それまでの診察を親切丁寧に、
「あなたの健康を回復させるために、全身全霊、努力を惜しみません」
という姿勢を伝えてあったからこそである。
流れ作業で『通り一遍』の診察をしていたのでは、こういうわけにもいかないだろう。

撮影しながらの手術は、どうしても時間と手間がかかる。
自分の忍耐だけではなく、周りのスタッフの忍耐も限界を超えないように、いつもの何倍も気を遣い汗もかく。
それでも、出来上がった美しい(手術のビデオを美しいというのは、私も相当なヲタクと言えるかも(^^ゞ)ビデオを観て、その苦労も吹き飛んでしまった。

特選!Dr.OKのまじめなおしりのはなし23

「手術後は、いつからお風呂に入れるのですか?」
手術の説明をしているときに、時々患者さんから聞かれることがある。
「普通は、手術をやって二日目ですけど・・・」
「えっ、傷があるのにお風呂に入って、大丈夫ですか?」
どうも、患者さんはお風呂のお湯のなかのバイキンが、傷から入ってくると思っているらしい。
「大丈夫ですよ、ウ〇チよりお風呂のお湯の方がよっぽどきれいですから」
ここまで話すと、たいていの患者さんは納得してくれる。

『傷は消毒しなければならない』
医学生の頃は、何の疑いもなくそう思っていた。
痔の講義があったとき、講師の先生が
「手術の翌日からお風呂に入ってもらいます」
と言うのには、たまげたものだ。
医学生といえども、こと消毒の概念については、患者さんと大差なかった。

無事、医学部を卒業して研修医をやっていたころ、毎日の朝の回診にくっついて行った。
「奥田君、消毒して」
診察は先輩が行い、下っ端はもっぱら消毒係である。
盲腸の患者さんも、胃がんの患者さんも、痔の患者さんも、すべからくその傷を消毒し、その後、無菌操作で(消毒したガーゼを消毒したピンセットでつかんで)傷を覆う。
途中で、不潔なもの(消毒していないもの、清潔なシーツでも、この場合は『不潔』なのである)に触ろうものなら、看護婦さんの冷たい視線を浴びながら最初からやり直しである。

痔の患者さんの消毒をする順番が回ってくるといつも憂鬱だった。
痔の患者さんの傷は、縫い合わせていないので傷がもろにむき出している。
そこに、刺激のある消毒を塗りたくるのだから、結構痛そうだ。
患者さんが全身を緊張させて痛みに耐えているのが伝わってくる。
「患者さんはこの後、ウ〇コするんだから、こんなことしたって意味ないのになぁ」
と思っていたが、研修医の身では先輩にそんな疑問を言うわけにもいかないのが、外科の世界なのである。

それから5年後、肛門外科の修業で社会保険中央総合病院大腸肛門病センターに潜り込み、一研修医の身分に戻って、修行をはじめた。
初めて痔の術後患者さんの病棟診察を見学した。

50人ほどの患者さんが廊下で待っている。
次々に呼び入れて、カーテンで仕切られた3台のベットに横になるように看護婦さんが案内する。
医者は、流れ作業のようにカーテンの中を右に左に移動しながら、次々におしりを出して待機している患者さん診ていくシステムである。
「お風呂入ってますか」
「傷はきれいですねぇ。腫れも全くなく大丈夫です」
「もう少し、丁寧に洗わなくちゃだめですよ」
おしりを広げて観るだけ。
一声かけて、手づかみでガーゼ(新品だが、滅菌消毒はしていない)をつまみ上げおしりにあて、助手の看護婦さんが絆創膏で固定して、一丁上がり!

「所変われば・・・」
私が思っていたことが、まったく当然のように行われていて、あえて質問する必要もなかった。

その後、消毒の概念が大きく変化した。
それまでは、
『傷は消毒して、乾かして治す』
が常識であったが、
『傷は消毒しないで軽く洗浄し、乾かないようにして治す』
と大きく方向を変えた。

しかし、外科医の世界は徒弟制なので、なかなか先輩がやることを「先生、その考え方間違ってますよ」とは言いづらい職場も多い。
消毒の概念が、完全に変わるのに、どのくらいの時間がかかるであろうか。

新しい消毒の考え方を知りたい人は
【新しい創傷治療】
http://www.wound-treatment.jp/
を参考にして下さい。