耳にアルコール

今日は夏休み3日目、昼のすいた頃を見計らってプールで1000m泳いだ。
その後、出張手術のために某病院に出向く。
手術の合間、耳の中に水が入っているのが気になって、頭を傾けてピョンピョン飛んでいると
「先生、アルコールを入れると簡単ですよ」
と、スキューバダイビングが趣味という看護婦さんに教えてもらう。

「しみないかなぁ」
といいながら、恐る恐るアルコールを耳の中に入れてもらう。
5秒ほどして、下に傾けるとアルコールが出ると同時に、耳の中の水は消失した。
『耳にアルコール』というキーワードで、突然記憶がよみがえった。

Dr.OKが研修医だったころ、真夜中に若い男性が救急外来にやってきた。
「先生、耳に虫が入って、動き回って気が変になりそうです」

---耳の中に虫が入ったときは、明るいほうに向ける。---
「虫は光に向かう性質があるから、自分で外に出てくる」と研修医用のマニュアルに書いてあるが、小さな虫にしてはずいぶん大げさな痛がり方だ。

耳鼻科用の小さな漏斗状の器具を耳に差し込んで中を観察してみた。
耳鼻科の臨牀実習以来、鼓膜を観察した事はなかったが、明らかに鼓膜とは違った色のこげ茶色の光沢を持った物体が耳の奥に詰まっている。

「先生、また動いている、早く何とかしてください」
男性は、今にも泣き出しそうな悲痛な声で訴える。

そこで研修医OK、昆虫採集の知識を生かして虫に麻酔をかけることを思いつく。
アルコールを浸した綿を耳の出口にあてがって、虫をアルコールで麻酔するという作戦である。
5分ほどして、虫がおとなしくなったのを見計らって、細いピンセットでそーっと挟んで取り出してみた。
なんと、小さなコガネムシが入っていた。

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