ネコ好き:ささやき

画像「にゃお~ん、にゃお~ん」
毎日の如く夜もとっぷりと暮れてから、トム君のご帰還だ。
ガチャンとお勝手のドアを閉める音が2階の部屋からの聞こえた。
妹か母に入れてもらったのだろう。

しばらくして、浪人生OKの部屋に自作してあるネコ用透明ドアを押し開けるカタカタという音が聞こえた。
早朝勉強に備えて、早くも浪人生OKは暖かい布団にくるまりまどろんでいる。
生き物が近づいてくる気配を暗闇の中で感じていると、耳元で
「フ・フ・フ・フ・・・・」
とささやくように空気が振動する。

気づかない振りをしていると、とつぜん冷たくなった鼻を頬に押し付けてくる。
ついでに、ざらざらの舌で「じゃりん」となめてくれることもある。

布団の縁を少し持ち上げてやると「フ・フ・フ・フ・・・・」の音をフェードアウトさせながら、ずるずるともぐりこんで行って腰の辺りで横向きに寝そべる。
そーっと手を伸ばして柔らかな横腹をなでると、4本の足をめいっぱいつっぱって伸びをする。
手のひらには、喉を鳴らしている振動が伝わってくる。

焦りと不安のかたまりであった時期に、ホッとさせてくれる存在であった。

掲載写真は elliy さんからお借りしました。

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