ネコ好き:8つの命

妹が拾ってきたシマネコ。
はじめは『借りてきた猫』そのもので、オドオドした目で何をするにも注意深い慎重派。
それが一ヶ月もすると新しい環境にも慣れ、本来の『お調子者』の性格を発揮してくれる。

様々なものに興味をもつ。
特に動くものには、あとさき考えずに突進していく。

ある夕方、その事故はおきた。
高いところの荷物を踏み台に乗って整理していた母が降りようとした瞬間、母のかかとを目指して突進。

「ゴキッ」
と鈍い音がしたように思えた。
母が足首を捻挫した音か、子猫の頭が踏みつけられた音かわからなかった。

音と同時に、子猫は頭を中心に床をクルクルと3回ほど回ってそのまま倒れた。

動かなくなった子猫を見てみると、目をつぶって小さな息をしている。
あるかないかの小さな鼻からは、うっすらと血が出ていた。

まだ医学知識を持ち合わせていない高校生OKは、それまでの人生の中で一番うろたえた。
「頭をつぶされて、陥没骨折」
かと思ったが、外見上何の変化もない。
ただ、ぐったりとして、呼びかけても反応しない。

隣のおばあさんに相談したところ
「大丈夫、ネコは8つの命があるっていうくらい、丈夫だから」
と、全く心配するような気配はない。

そういわれても、心配で心配で、夜通し添い寝して看ていた。
朝の光が差し込む頃、いつのまにか寝てしまった高校生OKは、頬にサンドペーパーでこするようなジャリっという感触を覚えて目が覚めた。
子猫が小さな舌でなめたのだった。

すかさず、そばに置いてあったミルクを注ぐと
「ぴちゃぴちゃぴちゃ」
と美味しそうに平らげ
「にゃおん」
と、何事もなかったように一声鳴いた。

それからというもの、「ネコは丈夫だ」という新たな認識が支配した。
子猫相手の、『お手々プロレス』という、いささか乱暴な遊びが始まった。

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