Dr.OKの消痔堂日誌

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zoom RSS 特選!Dr.OKのまじめなおしりのはなし44 治せない痔ろう

<<   作成日時 : 2014/04/23 06:50   >>

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「痔瘻は、手術しなければ治せないよ」
と、キッパリ言い切る肛門科医は多いのですが、その反面、どんな名人が手術しても治せない痔ろうがあります。

【クローン病に合併した痔ろう】
Dr.OKがまだ体重80sだったころ(←なんのこっちゃ)、患者さんに無駄な体脂肪の無いトライアスロンの選手がいました。
「おしりの近くから、いつも膿が出るんです」
「膿が出ちゃ、海にも入れないよね」
なんて冗談をいいながら診察したら、ごく浅い単純痔瘻。
いつものように10分程度で手術は終わり、何の異常もなく退院されました。

ところが、その痔瘻の傷がなかなか治らない。
長くても2か月もすれば塞がるような傷が、いつまでたっても柔らかい肉に覆われたまま、傷の周りの皮膚が増殖してこない。

先輩から「ひょっとしたら、クローン病かもしれないから、内科で診てもらったら」とのアドバイスを受け、内科で小腸を調べてもらったら明らかなクローン病でした。

クローン病は、口から肛門までどこにでも生じる可能性のある炎症性疾患で、『スキップ病変』といって飛び飛びに生じることがあり、この患者さんも小腸で顕著なクローン病の炎症が肛門にもおよび、痔瘻を作っていたという事でした。

普通の痔瘻は、直腸粘膜と皮膚(正確には肛門上皮)との境目にある肛門腺という分泌腺の中に、便中の細菌が侵入する事によって発症すると考えられています。
従って、病巣を開放してやれば理屈としては治せるはず。
いかに括約筋へのダメージを少なくするかが、肛門科医の腕の見せ所です。

それとは違って、クローン病に合併する痔ろうは、クローン病の腸の炎症から潰瘍ができて、そこから感染していることが多いのです。
時に大きな括約筋より奥から痔瘻のトンネルが始まっているので、病巣を開放すると便が漏れるような重大な後遺症を残す事になってしまいます。
また、便の入り口になっている部分を縫ってふさごうと試みても、炎症が強くて癒合ができません。

肛門科医としては、シートンと呼ばれるゴムやシリコンの管を痔瘻に留置し、膿が溜まって腫れあがる事を防ぐ処置を行うのが、精いっぱいなのが現状です。

しかし、クローン病合併の痔瘻だからと言って落胆することなかれ!
クローン病の内科治療は日進月歩で、近い将来、完治できる時代が来ると思います。
そうなったら、痔瘻も治せることになるでしょう。

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