特選!Dr.OKのまじめなおしりのはなし37:機能温存手術痔核編1

痔の手術と聞くと
「手術すると、後遺症で便が漏れるという話を聞いた事があるんですけど」
とか
「痔の手術って、一回では治らないんですってね」
なんて言われる患者さんがいらっしゃる。

確かに、『下手な手術』をしたら、そういうような後遺症が残ることも否定はできないけど、肛門外科のプロとしては、絶対にそんな後遺症は残してはいけないし、可能な限り正常な肛門に近づけるような努力をしなければならない。

という事で、しばらく機能温存手術の解説をしたいと思いますが、今回は一番手術が多い『痔核(いぼ痔)』についてのお話を始めたいと思います。
【病変写真注意(かんとん痔核)】































画像



まず、手術の適応をしっかり定めなくちゃいけません。
手術をするという事は、それだけのデメリット(時間、費用、痛み、出血の危険性、術後の後遺症の可能性etc.)を十分考慮する必要があります。
特に痔核は命に関わる事のない「良性疾患」だから、患者さんが「ワシ、痔が出ても気にしてないけんね。ウ〇コした後に指で押し込んでおけば、一日中なーんも気にならんけんね。」と『けんねアタック』で攻められたら、「そりゃそうだがや」と名古屋弁で答えるしかないぢゃないですか(^^ゞ

間違っても、痔から出血して座薬を使って治療したけど、年に何回も診察にいらっしゃるから「こりゃ、手術せにゃいけませんな!!」なんて調子で、手術適応が決まってはいけないのである。
あくまで痔核の手術適応の原則は
「痔核が脱出して押し込まないと戻らない」∩「患者さんが手術をしてでも治したい
という二つの条件がそろった場合なのである。

このブログを最初からお読みの方は、痔核の正体は正常組織である痔静脈叢が大きくなったものであることはご存じだろう。その痔静脈叢の支えとなっている組織(支持組織)が緩んで血管が太く大きくなったり、位置を固定できなくなって肛門の外へ滑り出てくる状態が痔核であるという説(支持組織減弱説)が痔核発生の定説となっている。
従って、癌細胞のように異常な血管がどんどん増殖して大きくなるわけではないから、必要最小限の範囲で痔核を除すれば良いわけで、取りすぎは後遺症の元になる。
まさに
「過ぎたるは及ばざるに“如かず”」(やり過ぎは、やり足らないより悪い)
なのである。

そのような方針から見た痔核手術の変遷について、しばらくお付き合いしてください。
続く・・・



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