Dr.OKの消痔堂日誌

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zoom RSS 特選!Dr.OKのまじめなおしりのはなし23

<<   作成日時 : 2013/04/23 08:14   >>

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「手術後は、いつからお風呂に入れるのですか?」
手術の説明をしているときに、時々患者さんから聞かれることがある。
「普通は、手術をやって二日目ですけど・・・」
「えっ、傷があるのにお風呂に入って、大丈夫ですか?」
どうも、患者さんはお風呂のお湯のなかのバイキンが、傷から入ってくると思っているらしい。
「大丈夫ですよ、ウ〇チよりお風呂のお湯の方がよっぽどきれいですから」
ここまで話すと、たいていの患者さんは納得してくれる。

『傷は消毒しなければならない』
医学生の頃は、何の疑いもなくそう思っていた。
痔の講義があったとき、講師の先生が
「手術の翌日からお風呂に入ってもらいます」
と言うのには、たまげたものだ。
医学生といえども、こと消毒の概念については、患者さんと大差なかった。

無事、医学部を卒業して研修医をやっていたころ、毎日の朝の回診にくっついて行った。
「奥田君、消毒して」
診察は先輩が行い、下っ端はもっぱら消毒係である。
盲腸の患者さんも、胃がんの患者さんも、痔の患者さんも、すべからくその傷を消毒し、その後、無菌操作で(消毒したガーゼを消毒したピンセットでつかんで)傷を覆う。
途中で、不潔なもの(消毒していないもの、清潔なシーツでも、この場合は『不潔』なのである)に触ろうものなら、看護婦さんの冷たい視線を浴びながら最初からやり直しである。

痔の患者さんの消毒をする順番が回ってくるといつも憂鬱だった。
痔の患者さんの傷は、縫い合わせていないので傷がもろにむき出している。
そこに、刺激のある消毒を塗りたくるのだから、結構痛そうだ。
患者さんが全身を緊張させて痛みに耐えているのが伝わってくる。
「患者さんはこの後、ウ〇コするんだから、こんなことしたって意味ないのになぁ」
と思っていたが、研修医の身では先輩にそんな疑問を言うわけにもいかないのが、外科の世界なのである。

それから5年後、肛門外科の修業で社会保険中央総合病院大腸肛門病センターに潜り込み、一研修医の身分に戻って、修行をはじめた。
初めて痔の術後患者さんの病棟診察を見学した。

50人ほどの患者さんが廊下で待っている。
次々に呼び入れて、カーテンで仕切られた3台のベットに横になるように看護婦さんが案内する。
医者は、流れ作業のようにカーテンの中を右に左に移動しながら、次々におしりを出して待機している患者さん診ていくシステムである。
「お風呂入ってますか」
「傷はきれいですねぇ。腫れも全くなく大丈夫です」
「もう少し、丁寧に洗わなくちゃだめですよ」
おしりを広げて観るだけ。
一声かけて、手づかみでガーゼ(新品だが、滅菌消毒はしていない)をつまみ上げおしりにあて、助手の看護婦さんが絆創膏で固定して、一丁上がり!

「所変われば・・・」
私が思っていたことが、まったく当然のように行われていて、あえて質問する必要もなかった。

その後、消毒の概念が大きく変化した。
それまでは、
『傷は消毒して、乾かして治す』
が常識であったが、
『傷は消毒しないで軽く洗浄し、乾かないようにして治す』
と大きく方向を変えた。

しかし、外科医の世界は徒弟制なので、なかなか先輩がやることを「先生、その考え方間違ってますよ」とは言いづらい職場も多い。
消毒の概念が、完全に変わるのに、どのくらいの時間がかかるであろうか。

新しい消毒の考え方を知りたい人は
【新しい創傷治療】
http://www.wound-treatment.jp/
を参考にして下さい。

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