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zoom RSS 特選!Dr.OKのまじめなおしりのはなし11

<<   作成日時 : 2012/10/31 05:04   >>

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ここまで、いかに肛門の傷が治りにくいか、理解していただけたと思います。
では、ここで肛門の傷(裂肛)に対して、さらに傷をつけて治そうとする暴挙に出るためには、さらに厳しい適応基準が要求されます。さもないと、手術をした傷が治らず、結局「元の木阿弥」になってしまう恐れも常にあるからです。
ただ、このように手術の後に傷が治らず、傷が残ってしまったとしても、裂肛の傷の痛みに比べたら、どうってことのない痛み(ほとんど、痛くない)になるので、手術の神様に感謝しなければなりませんm(__)m

一番の手術適応は痛みです。
裂肛特有の、排便時に痛み、その痛みが括約筋の痙攣を誘発し、痙攣痛が排便後も続く場合。ひどいと、排便後数時間痛みます。
痛みの強い場合の他の原因、それは脱肛との合併です。
排便時に脱出する肛門ポリープや内痔核が合併していて、排便後に押し戻そうとすると激痛が生じ、排便が苦痛になってしまう場合。本来排便は、快感を伴うようにできているはずが、痛みのために苦行となってしまって、中には排便を我慢するため便秘になってしまい、さらに便が固くなって裂肛を悪化させている場合です。
この場合は、裂肛を治すと同時に、脱肛状態を治さなければなりません。

二番手の手術適応は出血です。
裂肛の傷は一般的にそれほど大量には出血しませんが、時にぽたぽた垂れるような出血があったり、排便後なかなか出血が止まらず下着を汚す場合があります。
毎日、大量に出血していると貧血になる事もありますし、裂肛とともに直腸がんからの出血があっても、気付かないことになりかねません。

裂肛に限らず、肛門から出血する場合は、一度は内視鏡検査を行って大腸がん(直腸がんが多い)が無いか、調べることをお勧めします。

しかし、痛みもなく出血もわずかに紙につく程度の裂肛であれば、大腸癌が否定できていれば放置していたところで貧血になるほどではないので、患者さんの希望に任せています。

では、裂肛の手術の代表的なもののひとつ、L.S.I.S.(内括約筋側方切開術)について、お話しします。
裂肛の大部分はこの手術法と、裂肛の傷を治りやすいように形成する(裂肛の外側にある見張りイボや堤防となっている分厚い皮膚を切除し、ドレナージ創と呼ばれる外側に広がった扇状の浅い傷を作る)ことで行なうことができます。
適応となる裂肛は、肛門狭窄があり、裂肛の傷がある肛門上皮が柔らかく進展性があり、内括約筋とは癒着していない場合です。
けっして、軽い裂肛がL.S.I.S.の適応となるわけではありません。

手術法は、下記のごときです。
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@ 肛門の側方で、痔核の無い部分を内括約筋切開部と決め、肛門開創器で視界が保てるように肛門を広げ、肛門上皮下にボスミン(血管を収縮させ、出血量を減らす)を注入し、肛門上皮と内括約筋の間に隙間を作る。

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A 同じ注射器で、内括約筋外側にボスミンを注入する。

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B メスを、肛門辺縁から肛門上皮と内括約筋の間に肛門上皮と平行に挿入し、歯状線近くまで進める。

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C メスの刃の方向を90度外側に回し、切れる面を外側にして内括約筋に傷をつける。

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D 傷をつけた部分を指で圧迫して、さらに括約筋を断裂し、肛門狭窄を解除する。
E 肛門開創器を肛門内に挿入し傷を圧迫する方向に開き、止血している間に裂肛のドレナージ創を作成する。

これらの一連の手技は、慣れれば3分でできますよ!(^^)!

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