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zoom RSS かくれ痔とビデオ肛門鏡

<<   作成日時 : 2012/09/11 09:52   >>

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外来で患者さんから
「どうも、自分のおしりの痛みは、『かくれ痔』が原因だと思う。肛門の中をビデオで見せてくれないか」
と迫らせた。

ビデオで肛門の中を観察する装置は、デジタルアノスコープとも言われ
http://arakawaseisakujo.com/anoscope.html
のような大掛かりな装置である。
筒型の肛門に挿入する器具に、ビデオカメラを付けて肉眼で観察できるものをわざわざモニターに映し出して観察する装置である。
画像患者さんに説明するのには良いかもしれないけど、見せられた患者さんも何が正常でなにが病気なのか自分で判断できるわけではないので、
「ほー、これが痔なんですかぁ」
「そうですよ、アンタ!これをいつまでもほっておくと取り返しがつかなくなるから、手術しましょう!!」
なんてことが行われているのだろう。

この装置、十数年前に発売された時には、保険適応を認められて検査代が取れるという事で導入した医師も多かったが、実際に使ってみて診断するうえではそれほどの長所もなく(痔核が脱出することが観察できず、裂肛の診断のように肛門内側の皮膚を伸ばして観察することができない)その後、通常の肛門鏡でも同等の検査代が保険で認められたので、最近ではあまり話題にならなくなった。

それを、今度は『かくれ痔』という概念とともに再デビューを果たそうというのであろうか、さっそく『かくれ痔』で検索をかけたら、何と我が師、岩垂純一先生が健康番組でご提案されたようである。
http://kenko.asahi.co.jp/broadcast_dtl.php?broadcastId=94#theme_257
この記事によれば、痔核の症状が出る前段階を『かくれ痔』と定義されているようだ。

かなり昔、まだ癌というと『死に至る不治の病』であったので、『前癌状態』という言葉でごまかしていた時代があった。放っておくと癌になるけど適切な治療をすれば治すことができるという意味でつかわれていたと思うが、その後病理学サイドから「小さくても癌細胞は癌細胞である」と指摘され、最近では死語となってしまっている。

では、前『痔』状態の『かくれ痔』とは、いったい何であろうか?
疑問@正常の肛門の血管(痔静脈叢)と『かくれ痔』の違いは、どこを境界として定義するのであろうか?
疑問A仮に正しく『かくれ痔』と診断できたとしたら、それは治療をしないと必ず『痔』になるのであろうか?

まだ、広く肛門科医の間で認知されていない『かくれ痔』という言葉が、マスコミの力で独走していくのも困ったものだが、そこは我が師岩垂先生、きちんと回答が用意されているであろう。
11月の大腸肛門病学会総会が楽しみである!(^^)!

画像ちなみに、こちらが通常の「ストランゲ型」肛門鏡で診察した裂肛の画像。肛門を開くことによって、肛門の内側の壁が切れて赤いキズをあらわにしている。
患者さんには見せられないけど、裂肛を観察して正しく診断する方法としては、どちらに軍配が上がるでしょうか。



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