Dr.OKの消痔堂日誌

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zoom RSS 特選!Dr.OKのまじめなおしりのはなし4

<<   作成日時 : 2012/07/23 06:09   >>

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さあて、前回のお話を聞いてくれた皆さんは、急に腫れた痔核は急に手術する必要はなく、場合によっては永久に手術する必要がないかもしれないことは、理解してもらえたであろうか。
急に腫れたのに、主治医から
「これは手術せにゃいけないなぁ」
と言われたら、どうするか・・・

まず、急いで手術しなければいけない理由を尋ねてみよう。
誠意ある医師なら、わかりやすく説明してくれるはずである。ひょっしたら、あなたの思い違いで、急に腫れた痔核ではないのかもしれない。
はたまた、何か手術をすぐにしなければならない理由があるのかもしれない。
でも
「いや、手術を受けたくないなら、薬で治療しましょう」
という回答を引き出せたら、儲けものでしょ!(^^)!

では、薬の治療だけでは治せない痔核はどういうものだろうか。
これは、腫れていなくても肛門の外に脱出してくる痔核なのである。
ここで、例によって自己責任でスクロール
初めてに人は、下のほうには生々しい病変部の写真があることを覚悟して、スクロールしてください。気持ち悪なっても、わしゃ知らんぜよ。



























痔の専門家であれば、腫れている痔核(かんとん痔核や血栓性外痔核)を『脱肛』と呼ぶことはない。真の脱肛は、痔核が腫れていない状態(マシュマロのように柔らかく、痛みはない)で肛門の外に痔核が脱出するものをさし、その脱出の程度で4段階に分けることが行われている。

画像T度:痔核から、出血があるが、痔核は肛門内に固定されていて、肛門の外に出ることはない。ときどき出血するが、薬の治療で治すことが可能。

U度:排便時にいきむと、痔核が肛門外に脱出するが、いきむことをやめると自然に肛門内に戻る。肛門を見るのが趣味の人は気づくが、一般には患者さんな気づくことがない。出血する時期には薬の治療を行うが、出血がなかなかコントロールできない場合には、手術を行うこともある。

V度:排便時にいきんで肛門外に脱出した痔核が、そのままでは脱出したままになるので、指で押しこまないと戻らない。患者さんは、排便後毎回指で押しこむことが不便であれば、手術で切除するか、軽いものであればジオン(ALTA)というl硬化剤の注射で治療する必要がある。主義主張人生観の違いから、はたまた宗教上の理由から、「手術するくらいなら、死んだほうがましだ」という方は、上手に脱出する痔核とつきあって排便後『脱出した痔核を押し戻しゲーム』を楽しんでもらいたい。
と、冗談はさておき、実際に排便後に押し込むことで日常生活に問題がない人で、手術をしないで一生を終える人もいる。ただし、脱肛する痔核を手術することで、「人生が変わった。こんなに楽に手術ができるなら、もっと早くすれば良かった」と喜ばれる人も多くいらっしゃることも付け加えておこう。
画像
画像
写真は脱肛したV度痔核と、押し戻して一見正常に見える肛門


W度:肛門外に脱出した痔核を押し戻しても、立っていると自然に再度痔核が脱出してしまうもの。こうなると、本来肛門内にあって、粘液を分泌する粘膜が肛門の外に出ているので、いつも下着が粘液で汚れたり、もろい粘膜が下着でこすれることで出血してしまう状態になる。さすがに、歩くのも肛門に痔が挟まったようで不便だし、いつもガーゼやおむつをあてて、下着を汚さないようにしていなければならない。それでも寝たきりのご老人なら、大して不便ではないが、歩いたり座ったりする人では、そのまま我慢して気分が良いというものではない。痔の手術は、全身に負担を多くかけないので、体調のために手術ができないという人はほとんどありません。手術する病院が、手術後の管理ができる体制なら、手術適応であると自信を持って言える状態です。

さぁ、先ほどからやたらと手術手術と叫んでいるような印象を受けるかもしれないが、手術にはそれなりにリスクもあり後遺症もある。下手な手術をすれば、肛門狭窄を代表とする様々な後遺症で手術後の人生の質を著しく低下させる危険性のある治療法だ。

画像
写真は、痔核手術の後遺症で肛門狭窄をきたし、小指の先端ほどの広さで常に粘膜が出ている肛門

私の尊敬する、故隅越幸男先生は「脱肛を治したいと思うなら、手術を受けなさい。」と説明し、決して「手術をしなければいけないよ」とは、おっしゃらなかった。痔の手術において『神の手』と呼んでも過言はない大先生ですら、その後遺症については常に警戒を怠らなかったわけである。

そういう点で、手術と比べると危険性が少なく、入院期間も日帰りや短期入院で行うことができる、痔を固める注射薬ジオン(ALTA)について、今回は説明をいたしましょう。
この薬は、中国で開発された消痔霊という注射薬をモデルに、日本の製薬会社が、日本で認可されている薬を調合して作り出した、同等の効果がある注射薬です。

まったく副作用がないというわけではなく、四段階注射法という方法で正しく注射しないと、効果が期待できないだけでなく、直腸狭窄という治すことが極めて難しい後遺症を残す危険性もある。したがって、医者ならだれでも使用できるわけではなく、講習会に参加したものだけに販売されることになっている。

余談だが、Dr.OKは社会保険中央総合病に勤務していた時期、ジオンの臨床試験(ボランティアの患者さんに使用し、効果や副作用の調査をする)に参加していた。
そのご褒美に、第一回ジオン講習会(製薬会社のある沖縄で実施された)に招待され、認定を受けた懐かしい思い出がよみがえる。

画像
上のイラストの、四段階注射法について説明しよう。
ジオンは、ふつうの注射のように腕やお尻を出して「はい、チクッとしますよ」てな具合に、簡単に『注射一発』というわけではない。暗くて狭い肛門内にある痔核一つ一つに、四段階注射法と呼ばれるごとく位置や深さを変えて四か所に注射しなければならない。
そのために、肛門括約筋を広げて肛門内を特殊な器具で観察する必要がある。ゆるゆるの肛門なら、麻酔をしなくても広げることができるが、通常は局所麻酔や腰椎麻酔で、肛門括約筋の緊張をとって肛門を広げる。
その状態で、4か所に規定量の注射液を注入し、よくマッサージして注射液を組織になじませる。
慣れてくれば、一か所5分程度で終了し局所麻酔で行えばその日のうちに歩いて帰ることもできる。

画像注射が適切に行われれば、翌日から脱肛はしなくなり、痛みなどの症状もほとんど起こらない。
注射された痔核は炎症を生じるが、注射が行われる内痔核には痛みを感じる神経がないので無症状である。
炎症が治る時点で、内痔核がちょうど傷跡が固くなるように硬化し、下の組織に固定され、脱出しないようになるわけだ。

欠点としては、注射後の1年後の再発が製薬会社の調査では15%程度あるという事。
しかし、これは注射方法に慣れていない医師が行ったデータも含まれているので、実際はもう少し再発率は低いものだと思う。

Dr.OKの場合でも、最初はおそるおそる少な目に注射していたので再発も生じていたが、最近は慣れてきて大胆に十分量を注射しているので、再発はほとんどお目にかからない。
それ以外の、欠点と言うと、注射して1週間前後に突然発熱をすることや、粘膜がただれてじわじわと出血が長期間続いたり注射部位が化膿して潰瘍を作ったりすることがあるが、いずれも薬の治療で後遺症も残さず治る。
いずれにせよ、手術と比べれば、副作用や後遺症は圧倒的に少ないので、適応を間違えなければ(私は粘膜脱や外痔核が常に脱出しているようなもの、W度痔核には行っていない)手術にとってかわる治療法となりうる可能性を秘めている。

次回は、いよいよ痔核の手術について解説いたします。
刺激的画像も大量にアップする予定なので、血を見て気分が悪くなる人は、見ないようにしてください。

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