知らしむべし、寄らしむべし

最近、ココロを入れ替えて、このブログの本題である『痔のおはなし』に力を入れようと、記事を作成している。どうしても、病気の話となると、それが外科系であることからも、説明に画像が必要となってくる。

たとえば、内痔核の脱出(いわゆる脱肛)と、血栓性外痔核と、かんとん痔核を文章だけで説明しようとすると至難の業。
文章だけの説明では、一般の方に正しいイメージを持っていただいて、いざというときに自分はどの痔核で、どのような治療法が必要なのか、すぐに病院にかかるべきなのか、忙しいからとりあえず薬局で薬を購入して自己治療しても大丈夫なのか、判断が難しいと思う。。

勢い、肛門が腫れた画像を掲載することになるが、その点については医師の間でも賛否両論がある。

画像昔から、医者の世界には
『知らしむべからず、寄らしむべし』
というような、格言のようなものがあった。
これは、
『患者さんに病気やその治療法について教えてはいけない(それは無知な患者さんをかえって不安がらせるばかりで何のメリットもない)、何も教えなくても頼りにされなければいけない』
という意味を含んでいる。

現代の情報が自由に飛び交う時代では、それでは通用しない。
逆に、インターネットが普及してからは、井戸端会議のような不確実な情報でも、内容にアピールするものがあればあっという間に社会の常識になりかねないから、問題である。
それに対抗するものとして、常に正しい情報を積極的に発信するのも、意思の役割だと思っている。

ここに、一枚の脱肛の写真が掲載されているとしよう。
「キャーキモイ!Dr.OKってヘンタイじゃないのぉ」
と思う前に、考えて欲しい。
その画像一枚得るためにどれだけの努力が必要かという事を。

患者さんとのゆるぎない友好関係を築き、
医療情報の公開がどれだけ一般の人の救いになるかを理解していただき、
大いなる羞恥心を乗り越えて、面倒な撮影に付き合っていただき、
学会やインターネットでの公開を、強制的ではなく、快く承諾していただいたうえで得られた、貴重な写真である。

そのような理解と感謝の気持ちを持って、病変部の写真を眺めて欲しい。

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