夏はゴーヤだ

初めてゴーヤに出会ったのは、10年ほど前の梅雨の終わりに近い夜。
どしゃべしゃに降る雨の中、大久保のホームに通じるエスカレータから
「エスカレータは火災防止のため禁煙となっています・・・」
と無機質な女性の録音されたアナウンスが繰り返し流れ、ホームからは
『婦人科性病科』
というどぎついオレンジ色のネオンサインが近くに見える。
まるで映画「ブレードランナー」のオープニング。

エスカレータを降りたところに八百屋が一軒。
近くに淀橋市場があるためか、安売りの野菜がいつも目立つ。
土地柄、東南アジア系の人たちが多いため、聞いた事もない野菜も並んでいる。

その中でひときわ目立つ、イボイボヘチマのような実。
『ゴーヤ一本150円』
という表示の隣に、ゴーヤチャンプルーの素と書いたレトルトパックも置いてある。
恐る恐る取り上げて、レトルトのレシピの間々に、豚肉やカツオブシを買い求め急いで家へ帰って試作してみた。

『うまい』というには、どこか方向性の違った苦味。
ただ、食感は今までにない目当たらしさを感じる。
『ぐにゅ』とした歯ごたえは、今まで食べ物として経験した事がない。
初めてグミを食べて時と同じくらいカンゲキした。

その後、夏になればゴーヤチャンプルーは定番となった。
インターネットで調べると、ゴーヤは東南アジアでは広く食べられている食材。
日本でも、ちょっと地面があれば、ヘチマを栽培するくらい簡単にできるという。
もともと、「ちゃんぷるー」というのは「いろいろごちゃまぜ 」という意味だそうで、そういう素性のものならお任せあれ。

今日の食材はゴーヤ、豆腐、豚肉、もやし、ニンニクの茎、舞茸である。
調味料は、トウチとオイスターソース。
全体に黒っぽいのが難点だが、発酵食品を使った深い味わいがベストチョイスであった。
料理って、面白いですね(^^)

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