レフェリーストップ

スポーツの審判員は、そのスポーツがルールに則って行われるか監視し、反則にはペナルティーを課すのが主な仕事だと思う。
格闘技の審判員は、それに加えて選手の命を守るという重大な任務があり、一方的に試合を中止する権限も認められている。
24日のキックボクシングの試合では、まさにその名レフェリーぶりに、Dr.OKは鳥肌がたった。

それは、その日のファイナルマッチ、ウェルター級のランキング戦で起こった。
1ラウンド早々から壮絶な打撃戦となり、始めにダウンしたのは、小松。
クリーンヒットは免れていたため、すぐに立ち上がって試合は続行。

しかし、完全に回復はしていないのであろう。
リングサイドで観ていても、どこか動きが緩慢である。
そうこうしているうちに、二回目のダウン。
今度も、強力な一撃ではなかったので、KOとはならず試合続行となった。

二回のダウンをとられ、多くの打撃を頭部にくらっている。
いずれも『一撃必殺』の強打ではなかったので試合は続けられているが、パンチが効いているのははっきりとわかる。
ウェルター級の試合だけに、ガードが甘くなった一瞬に強打をまともにくらうと、非常に危険である。

明らかに危険だと判断できれば、ドクターストップという選択もある。
しかしドクター席からは、はっきりと観察できない。
観客はダウンシーンを期待しているわけだから、確信が持てない状態でとめるわけにも行かない。

画像そこで活躍したのがレフェリー野口大輔である。
その試合も、最後にロープにつめられた小松が連打された。
打たれるごとにガードが甘くなる。
この状態でウェルター級の選手が渾身の力を込めた体重の乗った拳がクリーンヒットしたら、救急車要請の危険性も考えられる。

連打される小松の緊張感が一瞬なくなったのを、野口は見逃さなかった。
両選手の間に割って入って、頭上に掲げた両手を大きく振った。
それと同時に、小松はしりもちをつくようにマットに沈んで行った。

勝利選手の勝ち名乗りを聞いて、観客は満足そうに会場を出て行った。
小松も、ふらつきながらも自分の足で控え室へ戻って行った。
誰もいなくなったリングで、深々と頭を下げて挨拶する野口が輝いて見えた。

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この記事へのコメント

つん
2006年06月26日 21:06
メイン、凄い試合でしたね。両選手の応援も凄かった。
野口さんのストップかけるのは絶妙でした。僕もそろそろヤバイだろう?と思った時でしたから。
1ラウンドで終わったので、野口さんの写真を撮る隙がなかったですm(_ _)m
レッドスネークカモン
2006年06月26日 23:59
これぞプロフェッショナルという感じの仕事振りですね。野口さん、カッコイイです。
2006年06月27日 05:47
テレビで放映されるような大きな試合のレフェリーも務められていますが、『それだけで食っていけるような仕事』ではないそうです。
「好きでなくては続かない仕事ですよぉ」
というのが、レフェリーの皆さんの一致した意見でした。

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