Dr.OKの消痔堂日誌

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<<   作成日時 : 2006/05/03 06:18   >>

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小さな大腸肛門クリニックのメリットとして、『小回りが利く』という事がある。
例えば、肛門から赤い色の出血のある患者さん。
大多数は、痔核からの出血だが、まれに癌のこともある。
『何年も坐薬で治療していた患者さんが、かなりすすんだ直腸癌であった』という経験は、肛門科医なら誰でも持っているであろう。

肛門の診察でわかるのは、肛門からせいぜい10cm程度。
患者さんが痛がったり、医者の指が短ければ、なおさら奥のほうはわからない。
患者さんも「医者に見てもらっているのだから」と思うのか、まさか直腸癌で出血しているとは積極的には疑わない。

直腸鏡という長さ20cmほどの筒の器械ですぐに検査する方法もあるが、あまり人気がない。
面倒な割りに、技術料が安く設定されているからなのだろうか・・・
さらに、肛門からの赤い色の出血の場合、直腸より少し奥のS状結腸まで観察しないと、充分とはいえない。

S状結腸まで観察しようとすると、大腸内視鏡が必要となってくる。
浣腸をするだけで、手馴れた医師であれば3分で検査ができる。
ただ、大病院では外来と内視鏡検査室は別になっているので、即座に検査するという事が難しい。

そこで出番があるのが、小さなクリニック。
広さに限りがあるので、診察室の隣が内視鏡検査室となっている。
先日も、出血の患者さんがいらっしゃったので、即日大腸内視鏡でS状結腸まで調べる事をお勧めした。
浣腸をして、次の患者さんの診察が終わることに、隣の部屋から
「先生、準備ができました」
と看護婦さんからの声がかかる。

「いやぁ、しっかり便は出ましたか?」
と軽口をたたきながら、患者さんにあらためて挨拶。
浣腸だけで、麻酔の注射も必要ないが、さすがに初めての経験で患者さんは緊張するだろう。
流れる音楽はモーツアルト。
「一番細くて柔らかい内視鏡を使いますから」
と安心してもらう。
実際、自分の指より細いのだから、挿入感は診察より少ないだろう。

大腸の一番奥の盲腸まで入れる内視鏡検査を年間1000件もやっていた経験からすれば、肛門からせいぜい50pのS状結腸までの挿入なんて『公園の散歩』である。
ものの30秒で到達して、観察を始めた。
曲がり角で、なんだか色の変化が見えたので「これは!」と丁寧に腸を伸ばし気味にして観察する。
大腸ポリープ、それも直径1pほどのものを発見。
「ビンゴー」とは言わないが、大収穫である。

出血の原因はこのポリープではなさそうだが、内視鏡を行った事で偶然発見できた。
患者さんにとっても、内視鏡を勧められずに放置していたら、大腸癌に発展していたかもしれない。
あらためて後日、下剤を飲んで腸をきれいにしたうえで大腸全体の検査を行い、ポリープを取ることとなった。

最近、高級品専門のコンビニが登場するというニュースを聞いた。
アイビークリニックもコンビニのように使い勝手が良く、高度な技術を提供できる『高級コンビニクリニック』を目指したいと思います。

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