Dr.OKの消痔堂日誌

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<<   作成日時 : 2006/01/29 05:42   >>

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「『クリニックじゅん』ですか?」
岩田先生の思いがけない反応に、少し緊張の解けたDr.OKが尋ねた。

Dr.OKが研修医時代、お供の仕事が終わってからご馳走になっているとき、コップ半分のビールで真っ赤になった岩田先生が
「オレが開業するなら、銀座で自由診療だな。名前は純一から一文字取って『クリニック純』だ」
それに答える形で、駆けつけ3杯飲んだDr.OKが
「それだったら、ひらがなで『じゅん』のほうがいいですよ。金の肛門鏡使って・・・」
勢いに乗った岩田先生が続く
「肛門鏡は、人肌に暖めてな」
こんな、掛け合い漫才のような会話を楽しんだのは、10年以上前のことだったか。
それが、定年を一年残した岩田先生が、ついに現実のものとして考えているらしい。

「平井のところは、うまくやっているのか?」
弟子の1人で、自由診療の医院を開業している平井先生について尋ねられた。
「景気が回復しないので、昔のように手術件数は多くないようですけど、それなりに繁盛しているようです。」
「一度、平井のところに行って、自由診療について教えてもらわなくちゃいけないな。」

『君子豹変す』
豹の毛が季節に合わせて抜け変わり美しい斑文となるように、君子は時代の変化に合わせて自分を素早く的確に変えていけるとの意味。

頭の中に受験生時代に漢文の先生に教わった格言が渦巻いた。
自分の過去やこだわりに引きずられて、現在の自分のあるべき姿を見失うのはおろかな事だ。
Dr.OKがもっともこだわっていた、岩田先生への辞意の申し入れ。
岩田先生も辞めようと思っているという思いがけない展開に、重苦しい気分が一気に軽くなった。

「佐藤には相談したのか」
岩田先生の後輩で、肛門科部長の佐藤先生への気遣いも忘れないところが岩田先生らしい。
「いえ、まだ言っていません」
「そうか。クリニックのホームページってどうやって作るのか、今度詳しく教えてくれ」
開業の誘いがあることを話に来たDr.OKは、後ろから走ってきた岩田号に一瞬にして追い抜かれてしまったようだ。

★Dr.OK開業物語はフィクションです。初めてお読みになる方は、こちらをご一読ください

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