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「先生に会ってもらいたい人がいるんですよ」 あれは10年ほど前、毎年三回社会保険中央病院で行われる大腸肛門病懇談会の懇親パーティで、ビール瓶を肩手に近寄ってきた大久保先生からささやかれた。 大久保先生は、もと同じ釜の飯を食った仲。 「僕が奥田先生の立場なら、もっと社会保険中央総合病院に残りたいんすけど、すでに開業は決まった事なんで残念です」 と言い残して、その年の春に開業した。 それから半年がたった今では、経営もうまく軌道に乗っているようだ。 開業一ヶ月目に会ったときには 「霞を食って生きてますぅ」 なんてぼやいていたのが、笑い話。 大久保先生のいつも癖で、話し声はなんだか秘密めいた印象を受ける。 ただ、このときに限っては「これだけはどうしても話しておかなくちゃ帰れない」というような、硬いケツイがうかがわれた。 「いったい改まっちゃて、どうしたの」 「実は、うちの開業の時にいろいろ相談にのってもらった業者が、先生のホームページを見て是非会いたい言っているもので」 すでに、『 Dr.OKのまじめなおしりのはなし』を公開してから数年がたち、毎日相談メールが10通以上届く状態が続いている。 おしりに悩みのある人からのアクセスは多いのだろうが、このように業者の方に読まれているとは、新しい発見だ。 「椎名って言うんですけどね、僕の親父同士が同級生で懇意にしてるんですよ」 「開業のお手伝いって、どんな仕事を頼むの」 「いやぁ、今は保険の契約なんかについて相談しているんですけどね」 開業ともおなると時には数億円もの借金を抱えるわけだから、保険もしっかり入っておかないと、いざという時には目も当てられないという話だ。 「保険の勧誘だったら今までもいっぱい入っているし、あまり興味ないなぁ」 「いや、そういうわけでもないようなんですけどね。あいつも調子の良い奴だから、気に入らなかったら追い返してもいいですから、一度あってやってくれませんか」 そこまで言われれば、嫌とはいえないDr.OK どんなお調子者がやってくるのか、はたまたニッセイのオジサンなのだろうか。 突然の面談申し込みが期待に膨らんでいった。 ★Dr.OK開業物語はフィクションです。初めてお読みになる方は、こちらをご一読ください。 |
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