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zoom RSS 痔瘻は手術しても再発するか?B 

<<   作成日時 : 2005/11/11 05:28   >>

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痔瘻というのは、肛門の中に小さな穴があり、多くは肛門の外に出口のあるトンネル(瘻管)が慢性的にできている状態である。
トンネルの走行はさまざま。
東京の地下鉄のように、浅いところを走るものもあれば、なかにはエスカレーターを延々と乗り換えて地下深くもぐっているようなものもある。(それにしても、大江戸線は深いところが多く、乗換えが大変だー)

深いところを走っている瘻管は、括約筋を大きく貫いているものもある。
痔瘻の手術の場合、もっとも確実なのはその瘻管を全て切り開いてしまう事(切開開放術)で浅い痔瘻や括約筋の機能に問題のない部位には広く行われている手術法だが、深く複雑に走っている瘻管を切り開けば、括約筋を大きく切断する事にもなる。
そうなると、「痔瘻は治ったが便が漏れる」という、困った後遺症が残る。

そこで開発されてきたのが「括約筋温存手術」と呼ばれている、様々な方法。
括約筋の部分は切断せずに、肛門の中にある瘻管の入り口は、縫ってふさぐ。

そこで問題になるのは、縫った部分が確実に閉じるかどうかという事。
肛門は便が出るところだから、完全に清潔に保つ事は不可能。
また、傷が安定するまで、排便をとめておく事も事実上無理。

そうなると、一定の確率で傷がくっつかなくて、再発の憂き目を見る事がある。
学会での発表ではおおよそ10%の再発があると言われているが、手術した患者さん全てを長期にわたって調査する事は不可能なので、もう少し再発率は多いのかもしれない。

石灰開放術と括約筋温存手術の中間的に位置するものとして、シートン法がある。
瘻管のなかにゴムや糸を通し、肛門の外でしばって、ちょうど瘻管を通したピアスのような形を作る。
そのゴムや糸を一ヶ月くらいかけて徐々に絞めていくことによって瘻管を開放する。
ゆっくり絞める事によって、括約筋の部分が切れて大きく広がってしまう事を防止する。
ゴムや糸が正確に瘻管を通っていれば、切開開放術と同様に再発の心配はない。
括約筋温存手術と違い、瘻管にそった傷跡は残るが、括約筋の機能をそれほど損ねる事はない。

根治率を高めるか、肛門の機能を重視するか。
それぞれ違った痔瘻に、もっとも適切な方法を選択できるのが、真の「肛門科専門医」といえましょう。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
痔瘻について質問があります!シートン法の治療でゴムをキツく縛ると遺残膿瘍などの障害があると聞きました。遺残膿瘍というのは瘻管が残ってしまっているということですか?それとも瘻管は消滅していて膿が残っているということですか?教えてください。ちなみにそういった場合の治療法も教えて頂ければ幸いです。
こうちゃん
2016/04/03 23:09
遺残膿瘍というのは、痔瘻が手術しても完治しない場合に使われる概念で、多くは痔瘻の入り口の処理が不完全な場合と、痔瘻の手術でつくる傷(ドレナージ創)が適切でなくて、傷が治りきらない状態を指す場合が多いです。
Dr.OK
2016/04/04 08:08

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